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オブザーバーツリー(監視の樹)
タスマニアの森林がたどる 生涯の或る一日
自己紹介
こんにちは。私の名前はミランダ・ギブソンです。オーストラリアのタスマニア島に住んでいます。いまわたしはオールドグロス林の樹上 60 メートルの高さに座っているところです。2011年12月14 日にこの樹に登りました。周囲の森が保護されるまで地上に降りないと誓ったのです。
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樹上に設置されたプラットホームには世界中の人たちと交信できる最新機器がフル装備されています。このウェブサイトも定期的に更新して、森林保護のキャンペーン情報に加え樹上の日々の暮らしの雑感を書き込んでいます。
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ここに留まる決心をしたのは、この森が置かれている状況に世界中から注目してほしいと思ったからです。インターネットのおかげで世界中の人たちと直接、コミュニケーションを取ることができます。遠く離れていても、これだけ多くの人たちから暖かいサポートをしてもらえることは凄いことです。2 月の14日と15日にタスマニアの森林を守るためのグローバル・アクションが行われました。15か国、70を超える地域からアクションの参加がありました。参加者から送ってもらった素晴らしい写真の数々をご覧ください。
http://www.flickr.com//photos/76527681@N03/sets/72157629320724403/show/
タ・アン社の森林破壊を止めるためにアクションを起こそう!
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この森について世界中の人たちに知ってもらうことが大切な理由は、ここから切り出された木材が世界中で売られているからなのです。森の破壊を押し進めているのは、タ・アンという会社です。このエリアの森林は2011 年8 月にオーストラリアの政府によって保護されることが約束されました。しかしこの約束は破られタ・アンに木材を提供するための伐採が依然とつづいているのです。タ・アンは保護価値の高い森林やオールドグロス林からの木材を購入しています。さらに、「エコ」木材などと出所を偽って販売しているのです。木材の大半は日本に送られています。だからこそ、日本のみなさんにここタスマニアで何が起こっているか知ってもらうことはとても大切なのです。わたしのメッセージが日本中に伝えられ、日本の方たちが木材を購入している日本の会社にコンタクトを取ることで森林を守るサポートのアクションを起こしてもらえればとても幸いです。これらの会社とは、積水ハウス、大和ハウス、パナソニック、永大産業です。
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どうか、ほんの数分、時間を取っていただき、これら四社に購入の停止を陳情するサイバー・アクショ
ンに参加してください。タ・アンが天然林の破壊を止めるまで木材の購入を停止するよう要請してください。
サイバー・アクション専用サイト→www.taann.net
野生動物
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わたしがいま暮らしている森はユーカリの巨木がそびえる雨林地帯です。ここはまた、多くの危惧種の野生動物たちの住処にもなっています。近くにリモートカメラを設置しました。動物がカメラの前を通るとフィルムに記録され、どんな動物が棲んでいるかモニターできる仕組みです。これまでに確認された動物は、タスマニアンデビル(Tasmanian Devil)、オオフクロネコ(Spot-tailed Quoll)、ウォンバット(Wombat)、パディメロン(Pademelon)、オナガイヌワシ(Wedge-tailed Eagle)、シロオオタカ(WhiteGoshawk)です。下記にリンクされたビデオ映像をご覧ください。
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わたしたちが目撃したタスマニアンデビルのうちの一頭は、巣穴で赤ちゃんを育てていると思われます。それは、エサを口にくわえて運んでいる様子が撮影されたからです。これは子供にエサを与えるときに限られる行為です。森の伐採がこのまま進めば子供のデビルはおそらく死んでしまうでしょう。逃げる場所がなくなるからです。これもまた、わたしたちが保護を確実にするために緊急のアクションをしなければならない理由のひとつです。タスマニアンデビルは絶滅のリスクのある危惧種です。デビル顔面腫瘍性疾患(Devil Facial Tumor Disease)のまん延のために最近、著しく個体数が減少しています。生存のためには生息地を破壊から守ることが急務なのです。
樹上での暮らし
樹上での暮らしはなんとも素晴らしいものです。わたしはこの森にすっかり溶け込んでしまいました。樹齢が400 年くらいのこの美しい樹にはとくにそうです。毎日、わたしの樹には多くの鳥が飛んできます。また、トカゲたちもわざわざ登ってきて私のプラットホームを不意に訪問します。
プラットホームは長さが3 メートル。地中からおよそ60 メートルの高さにあります。ここには食べ物や水を十分に貯えられています。わたしにはこの樹を訪問してくれる人、物資をロープで運んでくれるサポーターがいます。ソーラーパネルがコンピュータと携帯電話を動かす電力を提供してくれます。地域の公開討論会に参加したり、アクションやフェスティバルでスピーチしたり、メディアのインタヴューに応じたりしていますが、すべてインターネットを介してのことです。世界中の人たちがこの森とつながっているなんて素晴らしいことだと思いませんか。
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とはいってもやはりつらいときもあります。何週間も地上に降りていませんから。すぐ近くで伐採が行われているときは悲しくなります。何日もチェインソーやハーベスター、トラックの騒音、樹が倒れる音がつづくことがあるのです。そして夜になると伐採地に銃を持った人たちがやってきて、ポッサムやパディメロンといった動物たちを打ち殺すのです。そんなときはとても悲しい気持ちになります。
わたしのこと
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何年も前からタスマニアの森を守るキャンペーン活動に携わっています。わたしは、Still Wild Still Threatened という草の根の環境保護グループのボランティアメンバーです。わたしは長い時間この森で過ごし、この森をよく知るようになり、この森が大好きになりました。わたしともう一人のメンバーは”Flora and Fauna of the Upper Florentine Valley(アッパーフロレンタイン渓谷の動植物) “という本を出版しました。この本はわたしのお気に入りの森のひとつ、アッパーフロレンタイン渓谷に棲む植物と動物たちについて書かれています。
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わたしは高等学校教員の資格を持っています。専門は社会・環境研究とイギリス文学です。教職は中断しています。森林が破壊されている現在のスピードが心配でならないからです。この森を未来の世代のために残すために今すぐにアクションを起こすことが必要だと考えたのです。
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これまでの森林保護のキャンペーン活動の中で多くの試練がありました。たとえば2008 年、もう一人の活動家と一緒にいたときに、伐採業者の襲撃を受け、暴力を振るわれたのでした。しかしそれでも、このかけがえのない森を守る活動に踏みとどまることにしたのです。
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どうぞ、気軽にわたしにメールを送ってください。
メールアドレス→ observertree2011@gmail.com
You reminds me “The Legacy of Luna” a tale of Julia Butterfly Hill. She said “Respect your elders”.